【接し方】ASD(自閉スペクトラム症)のお子さまの育て方5個

チルプレ

チルプレ記事 2023.8.26

相手とのコミュニケーションが苦手だったり、自分なりのこだわりが強かったりといった特性のある、ASD。
ここでは、
・ASDのお子さまを持つ保護者の方のお悩み
・ASDのお子さまへの接し方・育て方
・仙台市をメインに活動しているチルプレについて
といったところを重点的に解説していきます。

「ASD(自閉スペクトラム症)とは何?診断基準」

略してASDと表記されることの多い、「自閉症スペクトラム症(又は、自閉症スペクトラム障害)」。
人との関わりが苦手で、コミュニケーションの取り合いの場面などで困難さに直面することがあります。
その場の“空気”を読み取ることが苦手、という症状も多くみられるようです。
・物の配置や自分なりのやり方などにこだわりがあり、興味の偏りがある
・場の空気を読み取るのが苦手だったり相手の気持ちを理解したり、コミュニケーションをとることに対して困難さがある
といった特性があります。
こうした特性は、生まれてから1年半~2年頃から気づき始めることが多い傾向があります。
上記のような特性が半年以上継続したり、社会活動に影響が出ていたり、いろいろな場面で出ているといったことが、主な診断の基準です。

「【なぜ】ASD(自閉スペクトラム症)はしつけが原因ではない」

他人とのコミュニケーションやこだわりが強いなどの特性がある、ASD。
結論からすると、お子さまがASDを発症することは、保護者のしつけが原因ではありません。
そのため「教育の仕方が悪かったのかな」「私たちのせいかも」と悲観する必要がないということです。
では何が原因となっているのか、というところについて。
これは生まれつきの脳の機能について、不具合があるために起こる障害であると言われています。
よって本人の性格や人格が関係しているということはなく、その後の療育や教育によって、一人ひとりの発達を促進させていこう、という流れになります。
一人ひとりこだわることが違うかもしれませんし、苦手な分野も人それぞれでしょう。
そのため、個人に合わせた的確なサポートを受ける必要があります。

「ASD(自閉スペクトラム症)で悩んでいる人はどれくらいいる?」

お子さまがASDであると分かった保護者の方は、「周りにASDを持った人はどれくらいいるんだろう」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
同じ障害を持ったお子さまの保護者同士、情報交換ができるかもしれませんよね。
ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
こちら、厚生労働省のページによると、「人口の1%に及んでいると言われている」と表現しています。
また、自閉スペクトラム症の発生頻度として、「およそ100人に1人いると報告されている」としています。
性別でいうと男性のほうが多く発生しているとして、女性のおよそ4倍に及んでいるとも記載。
本サイトを運営しているチルプレでは、こうしたASDを持ったお子さまも利用できる放課後等デイサービスを運営しています。
同じASDや発達障害を持ったお子さまを持つ保護者の方ともコミュニケーションが取れるかと思うので、情報交換の場としてもご利用ください。
チルプレとは – チルプレ

「ASD(自閉スペクトラム症)の特性、保護者の悩み」

改めて、ASDの症状として見られる特性や悩みといったところをまとめていきます。
特にASDのお子さまを持つ保護者の方々には、当事者にしか分からない悩みもたくさんあるはずです。

「外見からは分かりづらいため、周囲の理解を得づらい」

ASDのお子さまというのは、顔つきに特徴が出ることがありません。
そのため、周囲の人からすれば、一目でASDを持ったお子さまであると分からないのです。
保護者の方々もこうしたことはよく理解されているのですが、やはり周囲からの理解がなかなか得られない、という状況はつらいですよね。
それに伴い、発達障害と一線を引くことが難しく、適正なサポートを受けることが困難になる場合もあるようです。

「周りからは「変な人」という印象がつくことも」

先ほどの通り、外見だけではなかなか判断しづらいASD。
そのため、コミュニケーションのなかで苦手なことがあり、上手くコミュニケーションが取れない場面があると、「なんか変だな」と思われることもあるかもしれません。
また、そういった特徴のある行動によって「原因は保護者にあるのでは」と勘違いされることもあり、こういったことも保護者の悩みのタネとなっています。

「ASDのお子さまの育て方、接し方は?5個のポイントを紹介」

この章では、ASDのお子さまへの接し方・対応について説明していきます。
家族だけでなく、学校の先生など周りの大人たちが共有することも大切でしょう。
保護者の方々の不安を少しでも和らげる意味でも、ぜひ確認してほしいポイントです。

「ポイント① 得意分野が躊躇なく伸ばしてあげる」

ASDのお子さまは、こだわりが強い分、好きな分野のことになると、どこまでも熱中して入り込むことがあります。
一般的な学校の学習にも手をつけてほしいと焦る気持ちもあるかと思いますが、そうしたお子さまの好きなことはお子さまの自己肯定感につながるので、大事にしてあげてください。
また、ゲームなどの時間を制限する場合には、より具体的に理由を伝え、本人が納得した状態でルールを決めることが大切です。
「提案を受けて受け入れる」という流れを習慣づけすることで、社会に出たときなども役立つスキルになります。

「ポイント② 細かなことでも具体的に伝え、上手にできたら言葉で褒める」

“空気”を読むのが苦手だというASDのお子さまの場合、ニュアンスで物事を伝えるのではなく、言葉で伝えるようにしましょう。
上手にできたことがあれば、言葉にして褒めてあげるのも大切です。
また言葉で具体的に伝えるというのは注意をするときにも同じで、「これはダメ」など否定をするだけだと、「ではどうしたらよかったのか」が上手く伝わりません。
そのため、物を乱暴に扱っていたら、「乱暴にしてはダメ」というのではなく、「優しく触ってあげようね」と伝えるのが重要。
このとき、注意を受けて行動に移せた場合には、それも言葉で褒めてあげるとよいでしょう。
さらに、指示を出すときにも具体的な言葉で端的に伝えるのが大切。
「ランドセルを置いてから手を洗って、すぐに勉強を済ませようね」と言われても、1度にいくつもの要件が重なって、理解に苦しむことがあります。
そのため、「ランドセルを置く」の指示が完了したら「手を洗う」指示を出し、それも終えたら「勉強をしようか」と声をかける。
一つ一つの処理が終わるのを待ってから、処理が溜まらないようにするのも重要です。

「ポイント③ いつもと違うスケジュールは事前に伝える」

ASDのお子さまは、これから先の未来を想像するのが苦手、というケースもあります。
そのため、何か普段と違う用事が出来た場合には、前もって外出する時間と行き先などを伝えるようにしましょう。
こうすることにより、変則的なスケジュールにもストレスを感じにくくなり、パニックになる可能性を下げることに繋がるでしょう。

「ポイント④ 過度な偏食は味覚が過敏だから?過敏なことを理解する」

ASDのお子さまには、感覚が敏感で、大きな音が苦手だったり、極度の偏食が見られたりすることがあります。
この場合、ただの好き嫌いなのではなく、味覚がとても敏感なために、その味がどうしても受け入れられないということもあり得ます。
そうした場合には叱っても仕方がないので、様子を見たり、理解してあげたりということも大切です。
こうした感覚の敏感さは味覚だけでなく、騒音などに出ることもあります。
逆に、感覚が鈍感になるケースもあります。
痛感などに鈍感な場合には大きな病気やケガに気が付かない、という心配もあるので、早めに医師に相談することも必要です。

「ポイント⑤ 「人に助けを求める」ことの経験を積ませる」

ASDのお子さまのなかには、自分が悩んでいたり困っていたりという状態を理解できず、パニックになったり泣いたりという行動で、周囲の大人がはじめて困っていることに気が付くということもあります。
他人に声をかけてよいものか悩んでしまうというお子さまもいるので、はじめは周りの大人たちが積極的に助けてあげながら、「人に助けを求めることでよい結果に導かれる」という経験を積むことが大切です。
ASDのお子さまとの関わり方について、より詳しく解説されている記事がこちらです。ご参考としてご活用ください。

アスペルガー(ASD)の子どもへの対応・育て方とは?接し方や関わり方を紹介 | 発達障害・ギフテッド専門のプロ家庭教師 メガジュン

「仙台市でASDに困っているお子さまへ|チルプレが支援します」

仙台市を中心に活動しているチルプレは、児童発達支援・放課後等デイサービスといった教室を運営しています。
もちろんASDのお子さまも対象です。
チルプレでは2歳~12歳までの発達が気になるお子さまを対象としていて、運動機能やコミュニケーション能力の向上を目指した発達の支援をしています。
1日の活動は2時間で、対象地域であれば無料送迎を利用できます。
送迎は自宅と本施設の往復だけでなく、「小学校→本施設」「本施設→祖父母宅」などの変則的なものもOKです。
基本は1回の利用で1000円前後ですが、世帯収入に応じて負担上限月額が設けられていますので、安心して利用できます。
(放課後等デイサービスの料金についての記事リンク:本取引3記事目)
児童発達支援や放課後等デイサービスを利用するには「通所受給者証」が必要ですが、チルプレではこれの発行からサポート致します。
ぜひお声掛けください。