ADHD(注意欠如・多動症)の子どもに見られる症状や特徴|原因や治療法について

チルプレ

チルプレ記事 2023.8.26

不注意や多動性、衝動性といった特徴が見られるADHD。
ここではADHDのお子さまについて、
・特徴的な症状
・原因は何なのか
・ADHDのお子さまとの接し方
・ADHDの治療法とは
といった点をみていきます。

「ADHD(注意欠如・多動症)の子どもに見られる症状、特徴」

ADHDのお子さまに見られる症状として、
・不注意(集中力を保つことが苦手)
・多動性(静かにしていることが苦手)
・衝動性(我慢をするのが苦手)
といったことが見られます。
ひとつひとつ、どのような症状であるか、じっくり見ていきます。

「【不注意】細かい注意ができない、忘れ物、集中が持続しない」

なにかに注意することが苦手で、集中力が持続しないという症状が見られます。
また、何かを考えこむように自分の世界に入り込むこともありますね。
物忘れが多かったり、無くし物・忘れ物が多かったりという特徴もあるようです。

「【多動性】落ち着きがない、とにかく動き回る」

ADHDの場合、落ち着きがなかったりとにかく走りまわったりと、止まることを知らずに動き回るといった特徴があります。
静かに座っていることが困難で、高いところに登りがちという特性もあるようです。
授業中や給食の時間にも歩きまわることがあり、学業にも支障が出る場合があります。

「【衝動性】順番が待てない、他人を遮って自分を優先する」

並んで順番を待つということができなかったり、他人を遮って自分の行動を優先してしまったりという特性も見られます。
また会話の流れを気にせずに発言をしてしまう、ということもあるでしょう。
多動性とつながる部分がありますが、落ち着きがないという特性もあります。

「ADHDの子どもは見た目でわかる?特徴はあるのか」

集中できない、順番が待てないなど、内面的な症状を挙げてきました。
そんなADHDですが、外見で判断することはできるのでしょうか。
結論からすると、見た目だけでADHDと診断・判断することは難しく、顔立ちだけでADHDを判定することは困難ですし、決定的な特徴があるともいえません。
とはいえ、
・肌が色白
・猫顔で実際よりも幼く見える
・歯並びがよくない
といったことが、ADHDのお子さまに多い特徴だと言われています。
色白で猫顔が多いなど、美形タイプが多いとも言われていますが、決してこれらが有力な判断基準になっているということではなく、顔立ちだけで判断することは難しいとされています。

「ADHD(注意欠如・多動症)の原因は?しつけが原因ではない」

ADHDについての症状が見られた場合には、原因が気になるはずです。
しかし、明確な原因が分かっていないのが現状です。
発達障害のひとつであり、機能障害に関係していると考えられていますが、どのような仕組みで脳の機能障害が起こっているのか、という部分は分かっていません。
そのため、これまでの何がダメだったのか、子育てに失敗したのか、と不安になっている保護者の方もいるかもしれませんが、そういったことが原因になるわけではありません。
育て方が間違っていたから、というわけではないので、その点は安心してお子さまの成長を見守りましょう。

「ADHD(注意欠如・多動症)の子どもとの接し方」

ここからは、実際にADHDのお子さまと接するときに、どのようなことを心がければよいかというポイントを紹介。
日々のコミュニケーションの参考にしてみてください。

「ポイント① 継続しやすいルールでご褒美ゲットのシステムを」

本人と相談し理解してもらったうえで、本人が達成できそうなルールと、それを達成できたらもらえるご褒美を決めてみるのがおすすめです。
特にご褒美については、シールなどの目で見えるものがオススメで、「目標を達成することでご褒美がもらえる」というサイクルが、意欲にもつながります。
定める目標の内容は簡単で、本人が少し頑張れば達成できるものにしましょう。
はじめから難しい目標では本人が苦しくなるだけです。
まずは「ルールを守れたから、目標を達成できたから、ご褒美がもらえた」という体験を繰り返すのが重要です。

「ポイント② 良いことをしたら分かりやすく褒める」

本人が何か良い行動をとったり、上手に出来たことがあったりすれば、すぐに褒めてあげましょう。
大げさだと思うくらい、分かりやすく褒めてあげるといいですね。
褒められることで、「こういう時はこんなことをすればよい」という体験ができ、達成感も得られます。
ADHDや発達障害のお子さまは、学校など社会のなかでも注意されることも多いかと思います。
だからこそ、褒めるときにはしっかり褒めて、自己肯定感を高めるということも重要です。
こういったことは家族だけでなく、学校や保育園などの先生なども巻き込んで、大人みんなで協力しながら行うことも大切ですね。

「ポイント③ 指摘するときにはひとつずつ、具体的に伝える」

相手に対して何かを指摘するとき、「しっかり」「ちゃんと」などと人によって捉え方が違う言葉を使用することもあるかと思います。
しかし、そういった抽象的な表現では、ADHDのお子さまに伝わりづらい可能性があります。
そのため、「それはダメ」「やめて」など単語で言うのではなく、「○○を離して」「○○を触ってはダメ」「危ないからそこには立たないで」など、具体的に文章にして伝えるようにしましょう。
また、あまりにも難しい指摘をしたり、複数の指摘を一度で言ったりしてしまうと、混乱に繋がる可能性もありますね。
指摘を上手く行動にうつせなかったときに自信を失うことにもなります。
指摘はひとつずつ、具体的に伝えるのが効果的でしょう。

「【診断基準】ADHD(注意欠如・多動症)の治療法は?トレーニングや環境調整」

原因が明確ではないADHDですが、治療の方法や対処法がまったくないわけではありません。
ここでは、
・トレーニング
・環境の調整
・薬物療法
の3つに分けて紹介していきます。

「【トレーニング】生活に活きる発達を鍛える」

他人とのコミュニケーションや、生活をしていくうえで大切な、歯磨きや身支度、整理整頓などといった能力を高めるための、トレーニングをします。
日々の活動をしていくなかで必要となる作業ですので、こうしたトレーニングは定型発達のお子さまと同じように、日々のトレーニングで鍛えていきます。

「【環境の調整】お子さまにあった環境を整えて集中できる環境に」

家庭のなかでは、学習をするときにおもちゃを見えないところにしまうなど、「お子さまが集中しやすい環境を整える」ということが大切です。
また家庭のなかでだけでなく、学校では補助の先生をつけたり、座席を前列にしたりと、周囲の大人が協力し合って環境を整えていきましょう。

「【薬物療法】症状の緩和が見込めるが、副作用が問題」

集中力の欠如や落ち着きのなさなどをお薬のよって緩和しながら、多くのことを勉強できるようにすることが目的です。
そのため、「お薬を飲めばそれだけでOK」という考え方とは少し違います。
しかし、薬物療法は副作用が問題になるので、利用するときにも慎重に考えることが大切です。

「仙台市を中心に活動中|発達支援のチルプレについて紹介」

仙台市を中心に活動しているチルプレは、発達支援を提供しています。
1日2時間の活動のなかで、運動療育と学習療育をメインに支援をしています。
主に2歳~12歳が対象で、他の児童館や児童クラブとの併用が可能。
また、送迎は対象地域であれば無料で利用できます。
自宅と当園の間だけでなく、「小学校→当園、当園→自宅」といったような、変則的な送迎も可能です。
活動自体は2時間と短めですが、当園での活動中は保護者の手から離れる時間でもありますので、保護者の方の自由な時間としても活用いただけます。
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