チック症とは?トゥレット症との違いや原因、治療法などを解説!
チルプレ
チルプレ記事| 2023.7.1
チック症とは?
チック症とは、咳払いや首振り、奇声などを本人の意思に関係なく起きてしまう症状です。チックが起こる前には、何かの動作をしたいという強い衝動があります。たとえば、くしゃみや痒いところをかくときの症状ににているでしょう。チックは4〜11歳で発症するのがほとんどで、18歳までに発症すると言われています。ほとんどの場合が、成長するにつれて改善されるでしょう。しかし、大人になっても症状が改善されなかったり再発したりすることもあります。
チック症の原因は?
チック症の原因は、はっきりとわかっていません。リラックスしている状態ので発症が多く、合併症として注意欠陥多動性障害や強迫性障害が起きることもあります。他にも、体質や遺伝性、脳障害などが関係しています。一時的に起きるチックは、ストレスが原因だと考えられているため、ストレスが軽減されれば症状も落ち着く場合がほとんどです。しかし、チックは治療をしなくても軽減したり悪化したりするのが特徴です。
チックの症状と特徴
チックは運動チックと音声チックに分類されます。さらに、単純性と複雑性のタイプに分類されるのが特徴です。以下で、それぞれの症状についてみていきましょう。運動チック
運動チックの中で最も多いのは、まばたきです。単純性に分類され、軽度から重度まで症状は人によってさまざまです。他にも単純性に分類されるのは、首振りや顔のしかめ、白目をむく、口を歪めるなどがあります。チックの初期症状としては、顔に現れることが多いといわれています。一方で複雑チックは、10歳以降かに症状がではじめて、飛び跳ねたり、叩いたり、そのチックの症状はお子さまによって違うのが特徴です。1つの部位が動くのではなく、いくつかの動きが同時に起こります。
音声チック
音声チックの中で最も多いのは、咳払いです。他にも、豚のように唸ったり、鼻鳴らしをしたりなどがあります。また、複雑チックには、汚言症や反響言語、反復言語などがあります。とくに、汚言症がみられる場合には、周りの友達を傷つけてしまう可能性もあるので、早めに専門家へ相談するのがおすすめです。また、運動チックと音声チックの両方が1年以上みられる場合は、トゥレット症と呼ばれています。
チック症のへの接し方
チック症への接し方について、以下で見ていきましょう。チック症が出ているからと注意をしない
チック症が出ているからといって、叱責して注意はしてはいけません。チック症は本人も無意識でおこっていることであり、止めたくても止められるものではありません。注意することでかえってチック症の症状を悪化させてしまうことがあります。軽度な症状であれば、成長するにつれて改善されることもあります。落ち着くまでは何もせずに、見守っておきましょう。
できるだけリラックスさせてあげる
チック症を引き起こす原因は明確になっていませんが、緊張状態やストレスがかかっていると症状を誘発することがあります。そのため、できるだけリラックスさせてあげるのがいいでしょう。たとえば、お子さまが好きなことをとことんやらせたり、何も考えずにのんびりする時間を作ったりしてあげるのがおすすめです。お子さまによって、リラックスできる環境はそれぞれ違うので、お子さまに合った環境を整えてあげましょう。
お子さまに寄り添った声をかける
お子さま本人がチック症についてどのように理解しているのかを確認してうえで、症状の説明などが必要です。年齢が上がるにつれて、周囲の目が気になり、ストレスを感じたり自信を失ったりする可能性もあります。お子さまの気持ちに寄り添った声をかけてあげることが、ストレスや不安の軽減につながっていくでしょう。
トゥレット症とは?
トゥレット症は、多様な運動および音声チックが1年以上強く持続して、日常生活に支障をきたしている状態です。チック症の中でかなり重度であることがわかります。症状としては、複雑性の運動チックである飛び跳ねや叩くなどが起きたり、複雑性の音声チックに見られる汚言症や反響言語などが現れます。月によって症状が良くなったり悪化したりするのは、チック症と同じです。
チックの症状が出やす時と出にくい時
チックの症状が出やすいときは、緊張状態になっているときやストレスを抱えているときです。たとえば、試験中やバスに乗っているときなどに「チックが出てはいけない」と思えば思うほど、思いとは裏腹に出てしまうことがあります。チックは自分ではコントロールできない症状です。一方で、リラックスしているときはチックの症状が起きにくいとされています。しかし、リラックスしているときに起きてしまう方もいるので、症状は人によって異なるのが特徴です。
チック症の治療方法は?
チック症の症状が出たときに気になるのが、治療方法があるのかどうかではないでしょうか。チック症の治療方法や周囲に理解してほしいポイントについて、以下で解説していきます。軽度であれば治療の必要がない
チック症の最適な治療法はなく、軽度のチック症では自然になくなってしまうことがあるので、治療の必要はありません。周囲の大人が無理やり症状を直そうとすると、かえってチック症の症状が悪化する可能性があります。しかし、年々ひどくなったり、本人が苦痛を感じていたりする場合は、治療の必要があります。チック症ばかりに着目するのではなく、お子さまがタンしく生活するために必要なことを考えていきましょう。
周囲に理解してほしいポイント
チック症の症状に関わらず、周囲に理解してほしいポイントがあります。チックの原因は脳機能の障害であり、親の教育や本人の性格の問題ではありません。そのため、パパママが自分を責めたりお子さまへ注意したりすることはないようにしましょう。また、チック症は周りの環境でよくなったり悪くなったりするので、些細な変化で一喜一憂しないことが大切です。
チック症だけに着目せずに、お子さまの好きなことや得意なことなどを見て、たくさんの経験をさせてあげましょう。さまざまな刺激がきっかけでチック症が改善されることもあります。
チック症になったら専門家へ相談すべき?
チック症になったからと必ず専門家へ相談しないといけないわけではありません。チック症が軽度の場合は、成長と共に症状が改善されることがほとんどなので、専門家にまで相談しなくてもよいケースがあります。しかし、重度の場合はチック症の治療が必要になるので、専門家への相談が必要です。治療の方法はカウンセリングや行動療法、薬物療法などがあります。
また、重度のチック症には合併症を伴う場合があるので、少しでも不安がある場合は早めに相談にいきましょう。合併症の治療は早く始めないと、治らなくなる可能性もあります。チック症のことで相談するのであれば、以下から探してみてください。
NPO法人トゥレット協会