ダウン症とは?特徴や接し方のポイントを解説!

チルプレ

チルプレ記事 2023.6.30

現在の日本ではダウン症の発症率は、700人に1人といわれています。また、高齢出産ではダウン症の確率が高くなったり、遺伝したりすると耳にすることがあるのではないでしょうか。

この記事では、ダウン症の特徴や種類、接し方について解説していきます。ダウン症のお子さまと過ごしている方や今後出産をするときにダウン症の子だったらどうしようという方は、ぜひ参考にしてください。

ダウン症とは?

ダウン症は1965年にWHOにより、最初の報告者であるダウン博士の名にちなんでつけられました。通常21番目の染色体が1本多いため、21トリソミーと呼ばれることもあります。

ダウン症の方は、筋肉の緊張が低く、発達に遅れが生じます。通常の場合とほぼ同じように発達していくのですが、発達のスピードが全体的にゆっくりです。

また、心臓疾患や消化器系疾患、眼の疾患などを合併するダウン症の子もいるようです。

参照元:国立成育医療研究センター

ダウン症の種類

ダウン症の種類は3つに分けられます。それぞれの特徴について、以下で見ていきましょう。  

標準型

標準型は全体の約95%を占めており、パパ由来とママ由来の染色体の分離ができずに、21番目の染色体が増えるのが原因です。

パパママの染色体には問題がない場合がほとんどで、何らかの原因で染色体が分離できずに発症してし増します。

転座型

転座型は、全体の約3%しかいません。標準型とは違ってパパママのどちらかの21番目の染色体が他の染色体にくっついている状態です。

パパママの染色体に問題がり、どちらかが転座染色体を持っていると発症しやすいといわれています。

モザイク型

モザイク型は非常に珍しく、全体の約2%です。正常な細胞と染色体に問題がある細胞が混ざっている状態です。

正常な細胞の割合が多ければ、他の種類よりもダウン症としての症状が軽いこともあります。

ダウン症の特徴

ダウン症の特徴はたくさんあります。たとえば、呼吸器系の合併症により言葉が不明瞭であったり、耳が聞こえづらかったりなどが特徴です。ダウン症のお子さまは難聴になる可能性が高いので、2歳を過ぎても声に反応しない場合は専門家へ相談しましょう。

また、耳が聞こえづらいため、言葉を使ったコミュニケーションが苦手な傾向です。ダウン症が発症しているすべてのお子さまに当てはまるわけはありません。

ダウン症のお子さまへの接し方

ダウン症のお子さまへの接し方には、いくつかポイントがあります。伝わりやすい話し方や気持ちの育て方が大切です。以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。

完結にわかりやすく伝える

ダウン症のお子さまは言葉の理解が苦手な子が多く、難聴を患っていることもあります。そのため、できるだけ簡潔にわかりやすく伝えるのを心がけましょう。お子さまの後ろから声をかけても反応しないことは普通で、目に入る位置からしっかりと声をかけてあげるのがおすすめです。

また、聴覚よりも視覚からの情報が理解しやすいので、言葉だけでなく身振りや、文字、絵などをうまく活用して伝えてあげましょう。何も伝わらないのはお互いにモヤモヤが残ってしまいます。

自分を大切にする心を育む

ダウン症のお子さまは周りと比べて、発達がゆっくりな傾向であるため自信を無くしがちです。また、コミュニケーションがうまくいかずに落ち込んでしまうこともあるでしょう。

自分を大切にする心を育てるには、できたことはとことん褒めて、できることをどんどん伸ばせる環境を作っていきましょう。自尊心が育まれるのは、生きる力の基礎です。

自信をなくさないようにする

お子さまが苦手な部分はついついち手伝ってしまいがちですが、やっぱり私にではできないんだと自信を無くしてしまうことにもつながります。また、苦手な部分をいつまでサポートしていると、お子さまの成長になりません。

お子さまが頑張っていることはできる限り見守って、助けを求められたときだけサポートをしていくようにしましょう。

お子さま自身が自分の力で何かをできることが、成長に大きく関わります。

ダウン症の顔つき

ダウン症の顔つきには特徴があり、見かけたらわかりやすいのではないでしょうか。ダウン症は顔の中心が成長しませんが外側が成長するので、低い花や吊り上がった小さいめ、頬が丸いなどさまざまです。他にも、耳の1がひっかったり、首の後ろの皮膚が余っていたりします。

さらに、ダウン症は筋肉の緊張が低いため、口が空いたままになる症状も多いです。ダウン症の顔つきは特徴的ですが、必ずしも当てはまるわけでありません。モザイク型で正常な細胞が多ければ、特に問題にならないこともあります。

ダウン症の軽度と重度

ダウン症の症状には個人差があり、軽度から重度の違いがあります。軽度と重度に明確な基準はなく、知的発達の度合いによって判断されているようです。それでは、以下で軽度と重度の違いについてみていきましょう。

軽度

ダウン症には3つの種類があると説明しましたが、中でもモザイク型と呼ばれる種類が軽症だといわれます。モザイク型は正常な細胞と染色体に異常がある細胞が入り混じっており、他の種類に比べて症状が軽いのが特徴です。

しかし、モザイク型以外でも、IQが51〜70未満のお子さまは軽度だと判断されます。これくらいであれば、生活に不便を感じることなく、周りとのコミュニケーションも比較的取れます。ダウン症の症状が軽度であれば、気づかずに大人になることもあるのです。

重度

ダウン症が重度である場合は、食事や排泄などの日常生活に落いて、常にサポートが必要です。IQ目安は、20〜35未満とされています。また、単語を使った簡単な会話でのコミュニケーションが多く、言葉以外で意思表示をするお子さまが多いです。

重度なダウン症の場合には、合併症にも十分気をつけなければいけません。とくに、心疾患や循環器系であれば、直接命に関わることがあります。現在は、医療の進歩のおかげて、合併症の治療が早いうちから治療ができるようになりました。その結果、幼少時に命を落としてしまったというケースは減ってきています。

年齢別にみるダウン症の特徴

ダウン症を抱えたお子さまたちは、どのように過ごしているのでしょうか。年齢別にみるダウン症の特徴について解説していきます。

乳児

ダウン症を発症していると分かった時点で、合併症の確認や健康管理など医療的なサポートがスタート。心疾患や消化器系の合併症がある場合は、すぐに治療をしてお子さまの命の危険を回避します。

ダウン症の赤ちゃんはあまり泣かないことが多いようです。寝ているところをわざわざ起こす必要はないですが、寝る時間があまりにも長い場合や1人でおとなしいときは、適度にコミュニケーションをとってあげましょう。ただ、何かを伝えるのが苦手でできていない可能性があるからです。

幼児

ダウン症のお子さまは、発達のスピードが回りに比べてゆっくりです。そのため、歯が生えるのも遅い傾向にあり、食べる機能もゆっくりと発達します。そのため、噛みにくい食材を上げると丸呑みしてしまう癖がついてしまうので、発達に合わせて離乳食を進めていきましょう。

また、幼稚園や保育園に通う場合は、園の理解が必要です。ダウン症の受け入れ体制が整っているんかを確認してうえで、通園先を決定しましょう。さまざまなお子さまが通う幼稚園や保育園は、ダウン症のお子さまにとって良い経験を与えてくれるでしょう。

就学児

ダウン症のお子さまは、症状の度合いや状態によって、普通の学校の特別支援学級に通うか特別支援学校に通うかを選択します。特別支援学校では手厚い支援が受けられるため、日常生活に支障がある場合はおすすめをしています。

小学校や中学校では特別支援学級が設置されていますが、高校にはありません。そのため、障害を抱えていない生徒と一緒に通うのか、特別支援学校に通うのかの選択です。どちらに通うにしても、パパママとお子さまが納得できる方に通うのが1番いいでしょう。

まとめ

この記事ではダウン症について紹介しました、ダウン症には3つの種類があり、お子さまによって症状はさまざまです。軽度のダウン症であれば、気づかずに成長するお子さまもいます。お子さまの発達に合わせた接し方をしていきましょう。ダウン症について何か不安なことや実際に困っていることがあれば専門家への相談がおすすめです。