発達障害を持つお子さまとの基本的な接し方

チルプレ

チルプレ記事 2023.6.12

効果的なアプローチを4つ解説

発達障害を持つお子さまに対して、保護者様がよく直面する課題の一つが「コミュニケーション」です。

「どうして私の話を聞いてくれないの?」 「どう伝えれば理解してもらえるのかわからない」 「お子さまのわがままばかりで疲れてしまう」

日々、こうした悩みを抱える方は多いかと思います。 本記事では、そんな悩みを解消するために、発達障害を持つお子さまとの接し方について、4つの効果的なアプローチと注意点を解説していきます。

発達障害の特性と理解

まず発達障害とは、生まれつきの脳の働き方の違いによる障害です。注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉スペクトラム障害(ASD)、学習障害(LD)などが一般的な発達障害の例です。

例えば、ADHDのお子さまは落ち着きがなく、集中力が低い傾向があります。ASDのお子さまはコミュニケーションや社交の困難を抱えており、感情の表現にも苦労することがあります。LDのお子さまは学習において困難を抱えており、特定の領域での能力の低下が見られます。

このように、発達障害のタイプによって得て不得手があることがわかります。 そのため、発達障害を持つお子様と円滑なコミュニケーションをするためには、お子さま一人ひとりの障害特性を理解し、それぞれに合わせた接し方をしていく必要があるのです。

発達障害があるお子様への4つの接し方

① 間接的ではなく、直接的に伝える

発達障害のお子さまにとって、間接的な言い回しというのは理解がしづらいものとされています。例えば、机の上を片付けてもらいたいときに「もう少し、机の上が片付いた方がいいなあ」といった言い回しをされている方は多いのではないでしょうか? このような含みを持った言い方は、お子さまにとっては言葉の意味が理解がしづらく、ますますコミュニケーションが取りづらくなります。そのため、何か伝えたいことがある場合は「机の上を片付けてください」といった直接的な言い方に変えていきましょう。

②曖昧な言い方をせず、簡潔に話す

発達障害を持つお子さまには、抽象的な言葉や理由のない指示に戸惑うことがあります。そのため、伝える際には簡潔な言葉を使い、必要な情報を的確に伝えることが重要です。長くて複雑な説明よりも、要点をまとめた短い文で伝える方が効果的なのです。 例えば、「明日は天気が良くて散歩日和だから、公園に行こうね」ではなく「明日は公園に行く予定だよ」と短く伝えることで、お子さまもすぐに理解しやすくなります。

③具体的かつ論理的に説明する

先ほどとは逆の内容になりますが、お子さまによっては抽象的な言葉や理由のない指示に戸惑うことがあります。そのため、伝える際には具体的かつ論理的な説明を行うことが効果的です。 例えば、「食事をした後は手を洗いなさい」というのではなく、「食事の前に手を洗うのは、手についた細菌や汚れを取り除いて健康を守るためです」などしっかりと理由付けをして具体的な説明することで、お子さまは意味や目的を理解しやすくなります。

④ルーティン化をする

日常生活において、一貫性のある環境やルーティンというものに安心感を持たれるお子さまは多いです。例えば、毎日就寝前などに「寝る前の時間を決める」ことや「歯を磨く→トイレ→寝る準備をする」など順序立てて細かく行動のルールを決めるのもおすすめです。 また、ルールやルーティンに関しては、理由をしっかりと説明することで、お子さまも変化に対して柔軟に対応することができるので、一度決めたことを変更する場合には事前に伝えることが大切です。

避けるべき不適切な接し方と注意点

お子さまを責める言葉や態度を避ける

発達障害を持つお子さまに限らない話ですが、物事を注意する際に責める言葉を使ったり、恐怖心を与える態度をしてはいけません。特に、感情に任せて叱りつけるなどはもってのほかです。 その場だけでは、言う事を聞くかもしれませんが、そのお子さまにはずっと恐怖心が残り、後々には人に対して自分がされたことと同じ事をすることがあります。 大切なのは、お子さまと対話し、問題の原因や解決策を共に考えることです。共感を持ち、理解の上で指導やアドバイスをすることが、お子さまの成長と自己肯定感の向上に繋がります。

お子さまを無理に変えようとする姿勢を避ける

我が子が障害を持つからといって、無理やり治そうとしたり、他の人と比較してお子さまを変えようとすることはしないでください。

発達障害を持つお子さまたちには、その個々の特性や個性というものがあります。彼らが他のお子さまたちとは異なる発達ペースや行動パターンを持っていることを理解しましょう。 代わりに、お子さまを受け入れ、彼らの個性を尊重することが重要です。サポートや指導は必要ですが、変えようとするのではなく、お子さまの個性や能力を最大限に伸ばすようにサポートすることが大切です。

まとめ

発達障害を持つお子様とのコミュニケーションの際には、それぞれの個性や特性に合わせた接し方を心がけることが重要です。責めることや変えようとすることは避け、受け入れと理解の姿勢を持つことで、お子さまの成長と発達を支援することができます。

また、状況の変化や不確定性はお子さまにとってストレスとなり得るため、安定感と予測可能性を持った環境づくりに努めることも大切です。

ぜひ、この記事を参考にして、明るいコミュニケーションをお子さまと築いていただければと思います。