そもそも療育とは?早期療育の3つのメリットとデメリットについて

チルプレ

チルプレ記事 2023.3.4

お子さまの発達の遅れを指摘されると、保護者様としては不安になりますよね。発達の遅れや発達障害の傾向があるお子さまは、専門医から療育に通うことを勧められます。でも、いきなり療育と言われてもどうしたらいいかわからないし、そもそも療育ってどんなものかもわからなかったりします。 よく「早期療育を受けた方がよい」とも言われますが、早期療育に不安を持つ保護者様もいらっしゃることかと思います。

そこでこの記事では、初めての療育の利用を考えている保護者様に、そもそも療育とは何か、早期療育にはどのようなメリット・デメリットがあるのかについてわかりやすく解説いたします。

そもそも療育とは何か?

療育とは、発達の遅れや発達障害のあるお子さまに対して、お子さまの特性にあった支援計画を実施することにより、お子さまのと自立および社会参加をサポートしていく取り組みのことです。

発達障害は脳の不具合から生じるとされており、完全に治療できるものではありません。そのため、療育によってお子さまの特性にあった発達支援を行うことが必要とされています。

お子さまの発達障害は1歳6か月健診または3歳児健診をきっかけに気づくことが多いようです。発達障害の傾向がある場合、地域の療育センターや専門医による療育を受けることをすすめられます。

療育の中でも、幼少期から小学校の低学年ぐらいまでに行う療育のことを「早期療育」と言います。一般的には早い時期から療育を受けることで、その後の成長や自立にもつながりやすいと言われています。

しかし、療育も正しく利用しなければ、かえってお子さまの発達を妨げてしまうこともあります。そのため、メリット・デメリットをまずは正しく知ることが大切です。

以下に早期療育の3つのメリットおよびデメリットについてまとめています。療育の利用を検討されている方はぜひご参考にしてください。

早期療育の3つのメリット

1.お子さまの脳が成長する幼少期に発達支援ができる

早期療育の最大のメリットは、お子さまの脳が成長する幼少期に、その子の特性にあった発達支援が行えることです。

先ほどもお話しましたが、発達障害は脳の不具合が原因とされています。お子さまの脳は幼少期から小学校低学年ぐらいまでが最も成長します。その時期に合わせて、お子さまの特性に応じた支援ができるのが早期療育の一番のメリットです。

脳によい刺激を与えることで、その後の発達や自立にもスムーズにつながることが期待されます。

また、お子さまが「自分にもできた」という体験を幼少期から積み重ねることで、お子さまの自己肯定感を育むことにもつながります。

2.お子さまの特性が把握でき、お子さまへのかかわり方がわかる

発達障害のお子さまを持つ保護者様は、お子さまの接し方に戸惑ったり、子育てがうまくいかずに悩んだりするケースが多くあります。「自分の育て方が間違っていたのでは・・・」と自分を責めてしまう保護者様も少なくありません。

しかし、うまくお子さまと関われないのは、お子さまの生まれ持つ特性をよく理解していないからです。療育の発達支援を受けることで、お子さまの持つ特性を正しく把握することができ、お子さまにあった接し方・コミュニケーションの取り方を知ることができます。

早期療育は、早くからお子さまの特性を知るきっかけにもなります。保護者様自身の子育てへの不安が減り、家庭でもお子さまを伸ばすかかわり方ができるようになるという意味でもメリットは大きいです。

3.相談できる味方や共感できる仲間ができる

療育を利用することで、専門医や療育のスタッフにお子さまのことを相談できるようになります。自分ではわからないことも療育の専門家に学ぶことができるので、心強い味方になることでしょう。

また、同じ境遇を抱えた保護者様同士のつながりもでき、「自分だけではなかったんだ」と共感し合える仲間ができます。

早期療育を行うことで、身近に相談できる人のつながりを早い時期から持つことができます。このような人のつながりが、子育てをするうえでも大きな力になります。

早期療育のデメリットとは

療育はあくまでも、お子さまの特性に応じた発達支援を行うことで、決して「治療」ではありません。

ですから、「わが子を普通のお子さまのように変えたい」とか「療育を受ければお子さまの発達障害が治る」という思いで療育を受けさせると、かえってお子さまのストレスになり、二次障害に陥ったりすることもあり得ます。

二次障害とは、発達障害の子が鬱(うつ)になったり、自傷行為などに走ってしまったりすることです。

このように、早期療育のデメリットは、「保護者様が期待しすぎると、お子さまに過度なストレスを与え、二次障害につながる恐れもある」という点です。

保護者様や家庭はあくまでも、お子さまのよりどころであり、お子さまに安心感を与える居場所であることが大切です。

療育とは、お子さまを変えることではなく、あくまでもお子さまに必要な環境を与え、お子さまを育んであげることです。

そのような目で家庭でもお子さまを伸ばす声かけや接し方を心がけ、療育を通して多くの成功体験をさせてあげることが、お子さまの成長や自立によりつながるのではないでしょうか。

まとめ

最後に、早期療育のメリット・デメリットについてまとめておきます。

早期療育の3つのメリット

1.お子さまの脳が成長する幼少期に発達支援ができる
2.お子さまの特性が把握でき、お子さまへのかかわり方がわかる
3.相談できる味方や共感できる仲間ができる

早期療育のデメリット

保護者様が期待しすぎるとお子さまに過度なストレスを与え、二次障害につながる恐れもある

療育はあくまでも、お子さま本人のために行うものです。

強制や保護者様の都合で行うものではなく、お子さま本人の特性を正しく把握し、お子さまが将来幸せな人生を送るための一つのステップとして考えていきましょう。

以上、早期療育のメリット・デメリットについてでした。参考になれば幸いです。